ラムダ計算の勉強
目的
このゼミでは,本研究室において必要なラムダ計算という数理言語について,教科書*1を用いて,基礎からこれを習得することを目的としています.
よって,専門的な予備知識の必要なく,このゼミで研究に必要な考え方を学んでいます.
関連する学部の講義には,論理学,コンパイラ,オートマトン等があり,これらを履修してあると,学習がスムーズに行えます.
教科書の内容
このゼミで用いる教科書は,第1部(アルゴリズム)と第2部(プログラミング言語)に分かれていますが,ここでは第2部について読み進めることになります.以下に,この教科書の主なトピックを紹介します.
§10 プログラミング言語の概要
勉強をするにあたって,基礎となる集合に関する記法を学びます.
- 直積や直和などの基本的なものから,同値関係,反射的推移的閉包などの定義について,問を交えながら.
§11 シンタックスの定義と解析
言語に必要な語彙・文法の定義,そしてそれを解析する方法の概要について書かれています.
- 正規言語・正規表現での語彙の定義,文脈自由文法による文法の定義.
- 有限状態機械による字句解析,LR構文解析法による構文解析.
§12 型付きラムダ計算
この章から,学部の講義では扱わないラムダ計算について,その定義等を学べます.
- ラムダ式の定義,その型の解析(自然演繹システム,ラムダ式の型システム),意味論について,問を解きながら.
- 解く方法は帰納法が主.数学的帰納法と考え方は似ています.
§13 種々の構文構造の表現
§14 プログラム実行のモデル
この章では,ラムダ式によって表現されたプログラムを計算機で実行する,3つの方法について書かれています.
- 実行環境に依存せずにラムダ計算を実現する,コンビネータ理論について.
- コンビネータと対応する,ヒルベルトシステムについて.
- ラムダ式とコンビネータの関係,コンビネータの実行.
- 環境を用いて変数の束縛を実現する自然意味論について.
- 自然意味論の評価関係,ラムダ式と自然意味論の関係.
- SECD機械による自然意味論の実現について.
- SECD機械の実行規則,ラムダ式のSECDコードへの翻訳,自然意味論とSECD機械の実行の関係.
§15 型の自動推論と型の多相性
(文責:菊池)
*1 コンピュータサイエンス入門 アルゴリズムとプログラミング言語 大堀 淳・ジャック ガリグ・西村 進 著 岩波書店 1999

Keyword(s):
References:[主なゼミ・研究課題]